四国新聞に連載されている“追跡”にて「さぬきの夢２０００」その後との特集記事が掲載されていました。が、特に目新しいことはなく、使い方次第ではちゃんとしたうどんになるし、ASWに近づけるだけの方針は意味がないなどの、麺聖さんも指摘されているようにうどん好きの人の間やネット上では散々言われて続けている至極当たり前のことが書かれているだけでした。「県産小麦を振興するのはいいけどASWと同じものを作っても意味がないし、どう差別化するかが課題では？」なんてことを私がさぬきうどん研究会の会報誌に書いたのですら、さぬきの夢2000の試験栽培が始まった頃ですもんね。せっかく県内を網羅する取材網があるんですから、さぬきの夢2000を使っているうどん屋さんの実際の割合とか、県外向けと県内向けのどちらに多く使われているかとかを調べるくらいして欲しかったなあと思います。それにしても、なまじいいものが出来てしまったばっかりに関係者がこだわってしまっている現状や、テストの数値はいいけど実際には使いにくいとか、使いこなすのには手間が必要だとかの話を聞くと、第二次大戦期に奇跡のエンジンと言われながらも性能を発揮するレンジが狭く本領を発揮出来なかった中島飛行機の「誉発動機」のエピソードを思い出してしまいます。
さぬきの夢2000も収穫期ということで、6月2日付のasahi.com : マイタウン香川でも、「さぬきの夢２０００、４千万玉分」という記事が載っていました。四国新聞ではちっとも出ていなかった2005年度産について、０５年の作付面積は過去最高の約１３００ヘクタールの見込みで、収穫された小麦からは、約４千万玉のうどんが誕生する計算だ。
と書かれています（6月2日に中国四国農政局高松統計・情報センター、仲多度統計・情報センター、三豊統計・情報センターが発表した17年度産麦類の作付け面積によると、小麦が前年度より230ha多い1330ha、裸麦が140ha少ない1040haとなったようです）。JAが農家の方を回って不正問題が起こったけど頼むから作ってくれとお願いしてたと聞いてましたけど、結局2004年度産の1086haより200haほど作付けは増えたみたいですね（ちなみに計画は1400haで5600t）。2005年度産は小麦粉換算で3120tてことは製粉歩留まり65％で計算すると収量は4800t、反収369Kg/10aくらいなのかな？意地悪な見方をすると、2003年がチクゴイズミとさぬきの夢2000合わせて1100haで4690tの収穫があったと発表されていますから、品種がさぬきの夢2000に100％変わっただけで、量としてはほとんど増えていないとも言えますね。
（3日追記）4千万玉と聞くとすごく多いように感じますが、2004.11.6 のTopicsでも触れましたように、香川県内のうどん用小麦粉使用量6万6985t（2003年）からは8億3731万2500玉が生産されますから、さぬきの夢2000で作られるうどんなんてのはほんの一部にしか過ぎません。記事にもさぬきの夢2000のシェアは約4.6％って一応は書いてはありますけど、なんかまた読者を誤解させるような見出しですよね。それに、先ほど挙げたTopicsでも書きましたが、さぬきの夢2000に対する需要は県外移出向けに大手製麺会社が欲しがってるところが大きいようですし、地産地消を目的とする県の思惑とは違う使われ方をされているように感じます。出来立てを食べればそれなりにおいしいうどんが出来る小麦の開発に成功したのは確かなんでしょう。でも、実態がすぐに食べることのない生麺、半生麺や乾麺に加工されることが多いのなら、それはさぬきの夢2000にとっての不幸でしょうし、昨年の不正表示事件の原因なんじゃないかと思います。
asahi.com : マイタウン香川には、先日オープンして一年が経過したサンポート高松のシンボルタワーについての「サンポート２年目 にぎわい広まるか」という記事もありまして、高松拉麺築港については
商業施設の目玉だった３階のラーメンテーマパークは、オープン当初は２時間待ちの行列ができたが、今は「いつでも座れる」のが売り物に。ある店主（２７）は「平日の客は１００人未満。建物の集客能力を疑う。」
と書かれていました。先日、最近どうなんかなあと土曜日の夕方に覗いてみましたけど、ほとんどのところがガラガラで店員さんが店頭で割引券を配って客引きしてるくらいでしたもんね。「料理の鉄人」レストランの方はどうなんでしょう？
先週の日経MJに出ていましたが、東京の丸の内ホテルにて6月4日から7月2日までグルメ香川 at 丸ノ内ホテルという、香川の食材を使ったスペシャルメニューを提供するイベントが開かれるそうです。日経MJによると、さぬきの夢2000を使ったパスタなるメニューを出すレストランもあるとか。見る限り結構高級っぽいところばかりですけど、関東地方の皆様、もし召し上がられたら教えて下さいませ。
6月1日付けで業務移管との報道の通り、あわわの会社概要のページにTJ Kagawa編集部 香川のタウン情報誌 月刊［TJ Kagawa］の編集発行
との項目が追加されていました。前のあわわ編集長がTJ Kagawaの編集長に就任したようなので、次号からあわわ色が前面に出るんですかね。隔月刊だった「codomomo」は、TJ Kagawaに挟み込みの無料雑誌として提供されるようです。んで、【TJ Kagawa】Topページ（あ、ページタイトルからホットカプセルが消えてる）で一時閉鎖と出ている新・文化人の裏話なんですが、なぜか元編集部の人も参加して書き込みが続いていておりまして、hotocapsule.co.jpドメインが無くなるなどの話が出ております。
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